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パイオニア P16-J

パイオニア・P16-J の写真 パイオニア・P16-J の背面の写真。出力トランスがある。

まだ、ステレオとかオーディオという言葉のなかった頃の汎用ユニットです。

写真をクリックすると拡大画像が表示されます

仕様および特徴

付属の取り扱い説明書には、こうあります。

P16-J (PJ-6) の用途

  1. 普及型受信機用
  2. マグネチックスピーカーつき受信機の音質改善用
  3. インターホン用
  4. 磁気漏洩を避けねばならぬテレビ受信機などの機器用
  5. 学校放送設備の子スピーカー
  6. 農村、病院などの共同聴取装置用
パイオニア P16-Jの仕様
型番 P16-J (PJ-6)
ボイスコイル・インピーダンス 1.6Ω
最低共振周波数 100〜120Hz
再生周波数帯域 90〜8,000Hz
最大入力 3W
出力音圧レベル 96dB/W
空隙磁束密度 7,500gauss
外形寸法 165mm
奥行寸法 70mm
取付穴寸法 φ 155mm
バッフル開口 φ 130mm
重量 0.65kg
付属アウトプットトランス 1次インピーダンス 7kΩ 12kΩ
P16Jとその元箱

このユニットは、ネットオークションで手に入れました。元箱に取り扱い説明書から付属の取り付け用の木ネジまで揃ったデッドストック品でした。保存状態も良く、フレームの錆もコーン紙の焼けもなく、もちろんボイスコイルの摺れや断線もなく、トランスも生きていました。

取り扱い説明書とは別に、パイオニアスピーカーの型番号が変りました!というチラシがあり、それにはメートル法の実施にともなって、パイオニアでは率先して従来インチをもとにしていたスピーカーの型番号を変更致しましたとあります。日本でのメートル法の完全実施は1959年1月1日ですから、この製品の生産・出荷もその前後であると思われます。

P16Jのキャップのないセンターボビン

フレームは薄い鉄板のプレス。コーン紙は中心付近に2本・周辺に6本のコラゲーションの入った円錐形で、あまり深く絞られていません。エッジはフィクスドエッジ、ボイスコイルボビンにはメッシュ状のカバーがあります。マグネットは小さなアルニコ。同じ時期のヨーロッパやアメリカのメーカーの汎用ユニットに良く見られる形状です。

P16J付属の出力トランス

出力トランスが付属しています。一次インピーダンスは7KΩと12KΩとなっています。取り扱い説明書には、出力管の負荷抵抗に合わせて選択するよう書かれています。例として以下の出力管があげられています。

7kΩ 426F66AR64783S4
12KΩ 6ZP112ZP112A3Q43V4

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試聴記

このユニットは、一つしか持っていませんでした。インターネットでp16-jで検索したところ、JO1LZXさんのサイトJo1lzxのHomePageに出会いました。そこの譲りますという欄に、P16-Jの出力トランスの付属しない中古のものを無償で下さるとあります。不躾にもメールでお願いすると、快く譲って頂きました。相応のお礼を申し出ると、他の方にもそうしているからと、固辞されました。ありがたいことです。JO1LZXさんは、無線を趣味にされています。オーディオが趣味という人の中には、あまり友達になりたくないと感じる場合もあるのですが、無線を趣味にされている人の多くは、思考が科学的でさっぱりとした気持の良い方が多いように思います。私の偏見でしょうか?

そうした事情もあって、付属の出力トランスを使わず、ボイスコイル直結で聴いてみました。ボイスコイルのインピーダンスが1.6Ωと極端に低いこともあって、唯一持っている半導体のアンプ・SONY333ESで鳴らしてみました。もちろん、いつもの平面バッフルにつけてです。もともとが、電蓄やラジオのスピーカーが主たる用途ですから、後面開放とか平面バッフルといった背面に負荷のかからない状態で鳴らすべきでしょう。

音の印象は、今のいわゆるオーディオ的な基準で云々すべきものではないでしょう。レンジの狭い、軽くあっさりとした音です。それでも、いやな音は出しません。私は、もともと音楽が鳴り出すと、そちらに神経が行ってしまってオーディオ的な聞き方が出来なくなるほうです。スピーカーがこれしかなければ、それなりに満足して使っていると思います。

逆に、なにか耳障りな音、癖のある不愉快な音がするシステムやユニットは我慢できません。海外ブランドのビンテイジものの中には、そうしたものがあります。マニアに言わせるとそれが個性であり、音楽性という意味不明なありがたさになるようです。さらには、相応の使いこなしのスキルが必要だとか、使用者を選ぶとまでおっしゃる方もいます。楽器でもない、高々消費者用の工業製品で使いこなし云々が必要だとすれば、そんなものは欠陥商品でしかありません。今のパソコンとか、かつての高級アナログプレーヤーなどがその典型でしょう。お金でステイタスが手にはいると誤解させて、物を売り付けるためのコピーなのでしょうが、ただの物に、我々人間が選ばれてたまるかと私は思います。

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